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20系

国鉄20系客車

【その1】

20系(基本編)

朝焼けの日本海沿いを走る20系

ブルートレインの元祖 20系客車

 夕方のラッシュが始まるすこし前、16:40ごろから東京駅からはブルートレインの出発ラッシュがありました。九州へ、四国へ、紀伊へ、出雲へ……ヘッドマークも誇らしげにEF65形式電気機関車が青一色の客車を連ね、東海道を下っていったものです。
 そんなブルートレインの元祖となったのが20系。客車というのは必要に応じていろいろな形式を混ぜてつなげるのが『常識』だった時代に、20系だけでびしっと連なった編成美は鉄道ファンのみならず多くの人を魅了しました。
 人々が魅了されたのはスタイルだけではありません。完全空調が施された車内は、プライバシーが保たれた個室寝台をはじめ当時の最高水準のベッドが用意されており、食堂車はオール電化の清潔な厨房。まさにこれまでの客車とは「次元の違う」車両だったのです。

 Bトレインショーティーでも、そんな伝説の客車20系を編成し、ブルートレイン黄金時代を楽しんでみましょう。

20系オールスターキャスト

カニ21

カニ21

編成全体の空調や照明といった電源をまかなうために、大型の発電機を搭載した車両。製品ではパンタグラフを取り付けで『カニパン』ことカニ22にすることも可能。

ナシ20

ナシ20

食堂車。オール電化で空調完備の食堂車といえばあたりまえに聞こえるが、登場時は画期的な車両だった。なお、深夜は食堂従業員の寝床になったり車掌さんが食事を摂るといった別の顔もある。

ナハネフ23

ナハネフ23

ブルートレインも終点に近づくとお客さんが少なくなるので、編成の一部を途中で切り離す。その際最後部に車掌室が必要なため、通り抜けができる車掌車として連結されたのがこの形式。

ナハネフ22

ナハネフ22

ナハネフ23と機能は同じだが、こちらは編成美を意識した流線型の最後部となっている。最後尾は車掌室だが旅客用の展望スペースもあり、流れ行く最後部の展望風景を楽しめた。

ナロネ21

ナロネ21

A寝台車。A寝台には個室車両と開放式の2種類があるが、この形式は解放式。B寝台に比べ寝台の幅が倍近く広く、2段式寝台なので天地方向にもゆとりがある、ゆったりとした寝台車だ。

ナハネ20

ナハネ20

B寝台車で寝台幅520mmの3段寝台と、現代の水準から見ると窮屈(通勤電車のロングシートよりやや広い程度)だが、空調完備で当時としては高い水準の寝台だった。

どんな編成が組めるかな?

編成例「あさかぜ」+臨時「日本海」

 上に実車の編成例を挙げてみましたが、20系の全盛期は最大15両編成、食堂車つきの豪華編成で使われていました。1980年代になると食堂車は外されてしまいますが、美しい編成美は健在。たとえば1980年代前半まで20系で走っていた急行〈銀河〉は食堂車なしの11両編成でしたが、きれいなかまぼこ型の屋上が一直線に並んだ編成美は古さを感じさせませんでした。
 20系は国鉄で初めて「固定編成の客車」というシステムを導入したため、編成の組みかたにも一定のルールがあります。このルールを理解したうえで編成を組めば、たとえ本物に存在しない編成でもそれらしく見えます。
 ルールと言ってもそれほど難しいものではありません。覚えておくことは「扉の向きをそろえる」ことと「電源車+A寝台+B寝台+食堂車+B寝台」という連結順番を覚えておく。この2点だけです。
 たとえばAセット×1とBセット×2が手元にあるとすれば、こんな編成順序を作ってみましょう。

カニ21+ナロネ20+ナハネ20+ナシ20+ナハネフ23+ナハネ20+ナハネフ22(ナロネ20が1両あまります)

 まず電源車のカニ21から始まり、次にA寝台車のオロネ20をつなぎます。その次はナハネ20をつないでナシ20。その後ろにナハネフ23をつないで、余裕があったらここにも2両ほどナハネ20をつなぎ、最後にナハネフ22をつないでみましょう。食堂車を中心に両側にB寝台。最後尾はナハネフ22、反対側にカニ21とナロネ20を連結します。また、扉の向きはすべてナハネフ22側にあわせてください。

機関車をチョイス!

EF65形 500番台(P形)

EF65形 500番台(P形)

ヘッドマークをつけて東京駅から発車するブルートレインの先頭に立つ機関車といえばこの機関車。ブルーの20系との調和もバッチリ。

JR東日本商品化許諾済  JR貨物商品化許諾済
EF81形 ローズピンク

EF81形 ローズピンク

東北方面に行く〈ゆうづる〉〈日本海〉といった列車を牽引。客車も貨車も何でも牽引する万能機関車。

JR東日本商品化許諾済  JR西日本商品化許諾済  JR九州商品化許諾済  JR貨物商品化許諾済
DD51形 標準色

DD51形 標準色

20系との組み合わせは〈出雲〉や急行〈だいせん〉などで見られた。終点に近いところを7両編成くらいで走らせるならDD51はぴったり。

JR貨物商品化許諾済

 20系は客車列車なので、牽引用に機関車が必要です。機関車は運行する区間によってさまざまな形式が担当しますが、主要な特急列車をイメージするならEF65 500番台、EF81、DD51を押さえておけば間違いありません。
 このほか、パート16のEF58と組み合わせて〈銀河〉なんてのもいいと思いますし、パート7のDF50と組み合わせて〈富士〉〈彗星〉の再現も可能です。
 このように、20系はさまざまな機関車との組み合わせを楽しめるばかりでなく、編成のバラエティも豊富です。国鉄の歴史を調べれば調べるほど「え!? こんな列車にも使われていたの?」といった例もたくさん出てきます。
 Bトレなら全盛時代のフル編成も比較的コンパクトにまとまります。ぜひブルートレイン黄金時代を再現してみてください。

「あさかぜ」編成イメージ

【その2】

フル編成の魅力を楽しもう

東京駅で機関車接続のイメージ

20系寝台列車を走らせよう!

 Bトレインショーティーは別売のパーツを組み合わせることで、Nゲージ鉄道模型の線路を走行することができます。20系〈あさかぜ〉の場合は、機関車には走行台車[F](貨物用)、客車には動力ユニット[3]と走行台車[T]改を使用します。
 動力はBトレインショーティーの場合、4両に1両の割合で組み込みます。〈あさかぜ〉16両の場合は、走行台車[F]×1、走行台車[T]改×4、動力ユニット[3]×4セットを使用します。
 動力車の組み込み位置には特に決まりはありませんが、たくさんの走行台車を動力ユニットで挟むようなパターンは脱線しがちです。動力車同士をなるべく近づけ、走行台車にあまり力がかからないような組み合わせをお勧めします。

走行台車F

EF65→走行用台車[F]

 機関車用にも二軸の動力ユニットが用意されていますが、EF65とEF81は走行用台車[F]を使うことで4軸にすることができ、見た目がグッとリアルになります。また、今回のように複数の動力車で長編成の客車を牽引する場合は、客車側に同じ動力を組み込んで機関車はトレーラーにするほうが安定して走行します。

動力ユニット[3]

20系客車→動力ユニット[3]×4セット

 今回の編成は機関車を入れて16両となりますので、動力は4個使います。動力の組み込みかたは別表にまとめたように、編成の長さや車種に合わせて組み込み位置を変えてみてください。なお、機関車にはこの動力ユニットは組み込めません。

走行台車[T]改

20系客車→走行台車[T]改×4セット

 20系15両のうち、動力を組み込む4両以外はこの走行台車[T]改を使います。1セットに3両分入っていますので、4セット用意します。

動力ユニットの位置についての表

動力車の組み込みパターンはいろいろありますが、基本は「多数の走行台車を動力台車で挟まないこと」。パターン1は動力車間に3両の走行台車が挟まってますが、このくらいなら問題ありません。パターン2は〈あさかぜ〉のように走る方向が決まってる場合に有効。機関車を先頭にする限り走行がたいへん安定します。パターン3は新幹線など長い編成の電車にお勧め。前後どちらにも均等な力がかかります。パターン4のように多数の走行台車を動力車が挟む組み合わせは避けましょう。

自宅で簡単! フル編成

畳の上で編成の長さ比較 ▲畳1枚(約1,800mm×900mm)にフル編成がすっぽり収まるのがBトレの魅力。ブルートレインだけでなく新幹線なども16両フル編成が畳1枚で楽しめます。
Rがきついレール構成を畳の上で大きさ比較 ▲Bトレインショーティーは急カーブにも強いので、鉄道模型用の小半径カーブもらくらくクリア。狭いスペースでも長編成が楽しめます。

 鉄道模型の世界ではモーター車とモーターなしの関係は実物のように厳密ではないので、実車と同じ編成を組む必要は必ずしもありませんが、実物と同じ編成を組むとリアルさが増すので、模型でもフル編成にこだわる人は少なくありません。
 しかし、6両程度ならともかくブルートレインの15両編成ともなると、Nゲージでは2mを超える長さになってしまいます。この編成を楽しもうとなれば相当広いスペースが必要ですし、線路を引き回してカーブだらけになってしまうのも興ざめです。やはり直線区間で一直線に伸びる場面がないと、実車ではカーブの少ない国鉄を走る列車ではサマになりません(逆に京浜急行や京阪電鉄の車両はカーブがよく似合います。くねくね曲げましょう!)。
 Bトレインショーティーは実車の全長を約半分に詰めた「スケールショーティ」。フル編成にしてもNゲージ鉄道模型の約半分、20系〈あさかぜ〉の場合実測1m7cmで収まります。この長さなら小判型の周回線路(エンドレス)でも畳1枚分のスペースがあれば列車は直線状に並びます。
 もちろんフル編成の迫力はBトレでも存分に味わえます。パワーパックのコントローラの目盛りをを気持ち低めにあわせて、ゆっくり走らせながら線路の音を聞いてみましょう。長さは半分でも車輪の数は(機関車を除いて)実車と同じなので「カタカタカタ…」とリズムを刻む音はなかなかリアルなのです。

カーブが急でもかっこいい!

   
急カーブの走行イメージ ▲鉄道模型の線路は、実物ではありえない急カーブになっていますが、Bトレインショーティーならそんなカーブでも自然な感じになります。ショーティーモデルの強みです。

 Bトレインショーティーは車両の全長を半分にしていますが、それゆえにNゲージの急カーブでも自然な曲線状に車両が曲がっていくので、急なカーブでもリアルに見えます。特に20系のように屋根がつるつるの車両だと、Sカーブなどが本当にかっこいいのです。
 目線を下げてカーブの出口で車両を眺めると、まるで望遠レンズで撮影した写真のように見えますよ。

レンタルレイアウトも楽しい!

レンタルレイアウト例 ▲今回は埼玉県加須市のスカイホビーさんにお邪魔しました。Nゲージレイアウトは大きなレイアウト2台で合計10レーン、車両も貸してくれるクイックパックが2レーンあります。

 最近は各地に鉄道模型を走らせるためのレンタルレイアウトが用意されています。家族や友だちといっしょに遊ぶのであれば、風景のついた大型レイアウトでBトレインショーティーを走らせるのもおすすめ。
 鉄道模型は風景がつくとそのかっこよさは何倍にもなりますが、Bトレインショーティーも例外ではありません。
 長編成のBトレインショーティーは大型レイアウトでもその姿をはっきりと主張します。店内撮影OKのところなら、走行風景を撮影してオリジナルの車両アルバムを作っても楽しいですよ。

高架の上の新幹線と20系 ▲桜並木を走る〈あさかぜ〉。風景があるとグッとリアルになります。大きなレイアウトでもBトレインショーティーは、カーブでの動きがとても自然に見えます。
夜景イメージの駅に停車する20系 ▲レンタルレイアウトによっては夜間走行ができるところもあります。ブルートレインなら夜間走行もサマになるというものです。

昼夜のスター競演! 0系と20系

レンタルレイアウト例 ▲レーンが複数あるレンタルレイアウトなら、60年代の二大スタートレインである0系と20系の競演も楽しめます。仲間と車両を持ち寄って「なつかしの時代」を再現しても楽しいですよ。

 レンタルレイアウトの魅力は、なんといってもみんなで複数の車両を同時に走らせられること。好きな車両をみんなで持ち寄って走らせてももちろんいいのですが、走らせる車両の時代をそろえて、ある時期の鉄道風景を再現するのも楽しいですよ。
 たとえば20系〈あさかぜ〉編成は1975年ごろのブルートレインをイメージしていますので、そのころのスター列車、たとえば0系新幹線や153系といった列車を並べて走らせれば、レイアウトが一気に1975年にタイムスリップ。ブルートレイン全盛時代の国鉄を手軽に再現できるのです。
 長い編成でも手軽に持ち運びができるBトレインショーティーは、レンタルレイアウトでも大活躍しますよ。

▲レンタルレイアウトで20系を動かしてみました。Bトレインショーティーのフル編成運転の魅力を堪能してください。
レンタルレイアウト撮影協力:スカイホビー

20系客車 Aセット 製品イメージ

製品名 20系客車 Aセット
発売 2016年12月発売予定
販売 一般店頭販売
客車
4両入り
価格:4,320円(税8%込)

20系客車 Bセット 製品イメージ

製品名 20系客車 Bセット
発売 2016年12月発売予定
販売 一般店頭販売
客車
2両入り
価格:2,160円(税8%込)

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